「衛星情報(GNSS)と3D-CAD」による機械アシスト
鹿島建設は、大分川ダム建設工事でのICT建設機器による施工事例を2017年4月17日に紹介した。
大分川ダム建設工事では、20台近い油圧ショベルとブルドーザに「マシンガイダンス(MG)」・「マシンコントロール(MC)」システムが搭載されている。
これは,全地球衛星測位システム(GNSS)と3D-CADデータを利用し、目標物の位置や形を運転席のモニタで確認できるシステム。
重機オペレータは、あらかじめシステムに入力された目標物データに基づきモニタに表示されるガイドに従うことで、目標とする形状に掘削や整形を行うことができる。
従来のガイダンスなしでの堤体盛立工事では、設計通りになっているかを測量による丁張(ちょうはり)作業で繰り返し確認していた。MG・MCシステムがあれば、オペレータの技量差に関わらず均一な出来形を確保できる。
重機の稼働効率も向上し、現場の丁張作業の約9割を削減。測量で人間が作業エリアに近づく頻度も激減することで,安全性も向上した。
ダンプの運行・運搬情報をリアルタイム管理
ダム工事最盛期には,1日延べ450台の大型ダンプなどの工事車両がサイト内を走行する。工事車両の運行・運搬情報を「GPS車両運行管理システム:スマートG-Safe(R)」で管理している。
車両の運転席横にスマートフォンやタブレット端末を設置するだけで、GNSSによる工事車両のリアルタイムな位置情報を把握し、運行管理者がドライバーの運転状況を管理できる。
走行中の速度監視・注意喚起をはじめ、山間部の狭い道路における大型工事車両同士のすれ違い管理も可能。また、ダンプの積載・運搬情報をクラウド上に蓄積し、「何を」「いつ」「どこへ」「どのくらい」運んだのかというトレーサビリティ管理も行っている。
(画像はプレスリリースより)
鹿島建設 プレスリリース:
http://www.kajima.co.jp/forefront_02/