「過労死を容認」と批判
日本医療労働組合連合会(以下 医労連)2月6日、「過労死容認」の時間外労働上限設定に反対する談話を発表した。
「月60時間」の残業は看護師の過労死ラインだとした上で、医療機関などで健全な労働体制を確立するためには、時間外労働の上限規制と共に、変形労働の規制強化や、過酷な夜勤交代制労働に配慮した法規制の必要を説いている。
医労連は発表した談話の中で、月平均60時間、繁忙期には月最大100時間の時間外労働を認めるとした政府案について、裁判でも月60時間が過労死ラインと認められている例を示して、新人看護師が就職して8ヵ月で過労自死するという痛ましい事件を引き合いに、政府案を「過労死を容認するもの」として批判している。
また現状の医療・介護分野では時間外労働が容認されている現場が多数あることを示した上で、政府案が法定化されることで、時間が労働時間がさらに引き上げられることになる事態を懸念している。
実効性のある法規制を要望
医労連は上記のような事情から特別条項は撤廃すべきであり、海外では考えられない長時間夜勤や、負担の大きい勤務体系が常態化している現状を憂慮する姿勢を示している。
過重な労働環境は職務の質にも影響を与えかねず、医労連は国際労働基準にもとづいた「1日8時間」の労働時間体系を基本に、実効性のある残業などに関する法規制を深化させることを要望している。
(画像は医労連HPより)
「過労死容認」の時間外労働上限設定に反対する談話
http://irouren.or.jp/日本医療労働組合連合会
http://www.irouren.or.jp/