環境にやさしくコストも削減
奥村組は、2月23日、日本海水と共同開発した「重金属不溶化材」が、不溶化性能に優れること、また、環境負荷低減と経済的にも優位な「不溶化処理技術」として確認できたことを発表した。
日本の土壌に含まれる自然由来のヒ素や鉛などの重金属が、地下水等に溶出、拡散することを抑制するための技術として、「不溶化材」を土壌に混合する方法が挙げられる。しかし、対象土壌の処理量によっては、多くのコストがかかるため、安価な処理技術が求められていた。
廃棄物を有効活用
今回共同開発した「重金属不溶化材」は、浄水施設の処理過程で、従来廃棄物として処分されてきた「鉄バクテリア汚泥(副産物)」を、乾燥、破砕して主成分としたものだ。
鉄バクテリア汚泥は、重金属を吸着する効果のある微細な水酸化鉄を多く含有。これを有効活用することで、約25%のコスト削減を実現するとともに、ヒ素溶出量も環境基準値以下に抑制することも実証できた。
トンネル工事に適用
同社は、自治体発注のシールド工事の立て坑掘削で発生した、自然由来のヒ素含有土壌の「不溶化処理」に適用。ヒ素溶出量を環境基準値以下に低減することに成功したという。
今後、トンネル等の地下工事での適用を目指し、この技術を積極的に提案していていく方針である。
(画像はニュースリリースより)
奥村組 ニュースリリース
http://www.okumuragumi.co.jp/news/2016/日本海水 ホームページ
http://www.nihonkaisui.co.jp/