統合失調症に関する新たな発見
2016年1月19日、大阪大学の橋本亮太准教授、東京大学の岡田直大大学院生、笠井清登教授らの研究グループは統合失調症において大脳基底核のひとつである淡蒼球の体積に左側優位の非対称性が存在することを発見したと発表。
この研究は日本医療研究開発機構などからの支援を受けて実施されており、研究成果は国際的精神医学雑誌である「Molecular Psychiatry」にて公開されている。
MIR脳構造画像を比較解析
橋本准教授はCOCOROを組織し、精神医学や神経科学などの研究機関が参加する国を挙げての研究体制を整えた。今回の研究ではCOCOROに参加する11カ所の研究機関から集まった884名の統合失調症患者および1680名の健常者のMIR脳構造画像を比較解析。
これまでの研究によって統合失調症患者の淡蒼球は健常者に比べて体積が大きいことが明らかになっていたが、今回新たに淡蒼球体積には左側優位の非対称性があることが明らかになった。
統合失調症
私たちには喜怒哀楽の様々な感情があり、脳内では常に思考している。しかし、何らかの原因によって情報や刺激に過敏になりすぎてしまうと脳がうまく対応できなくなり、精神機能のネットワークがスムーズに機能しなくなることがある。
その結果、感情や思考をまとめることができなくなってしまう。このように脳内をまとめる機能がストップしてしまった状態を統合失調症と呼ぶ。
統合失調症の症状は妄想や幻覚などの「陽性症状」、意欲の低下などがみられる「陰性症状」、臨機応変な対応ができにくくなる「認知機能障害」に分けることができる。
(画像はプレスリリースより)
日本医療研究開発機構 プレスリリース
http://www.amed.go.jp/news/release_20160119.html