成果主義の反省から、人事制度の見直し相次ぐ
現在、多くの企業で人事制度を見直す傾向にある。昭和60年代までは、終身雇用制度により、長年勤務するほどに給与が上昇する仕組みであったが、平成に入りバブル崩壊が起きると、それまでの給与体系を維持することで、利益に占める人件費の割合が増大してしまうことから、成果主義を導入する企業が増加した。
しかしながら、成果主義一辺倒では、労働意欲の低下につながりかねないことから、その対策として人事制度の見直しが進められている。
人事制度で社員の労働意欲向上を図る
人事制度とは、社員の仕事に対するモチベーションを向上させるために、その方法を体系づけて制度化したものである。人事考課において、社員の実績を公平に評価することができれば、社員の業務スピードと業務の質が大幅に上がることとなり、企業の発展につなげることができる。
人事考課は公平に行われるべきであるが、これまでは、評価者の主観が入ることが多く、また、相対的な評価が多く見られたことから、部下が、評価の内容に納得がいかないケースが見られた。
人事考課の目的は大きく分けて以下の4点になる。
1,能力開発
2, 報酬査定
3, 昇進・昇格
4, 配置・異動
個々の能力と会社の事情に合わせて、適切な配置を行うこと(適材適所)が理想的である。
「職務遂行能力」による評価で公平を期す
人事考課を公平に行う方法としては、職務遂行能力で評価を行うことである。職務遂行能力は仕事に求められる能力で、なおかつ努力次第で向上するものである。
職務遂行能力を1つのものさしで判断することは困難であるが、「結果」「プロセス」「原因」の3つの面から判断することによって、客観的な判断に近づけることが可能となる。
なお、人事考課においては、先入観や考課者の経験、部下同士の比較など、主観的な見方で考課を行うと客観性に欠けるため、部下の優れた点、不充分な点を見極めることにより部下を育成していく、という心構えで人事考課に望むことが大切である。
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