転写制御の基本原理を解明する重要な一歩へ
理化学研究所横山構造生物学研究室の横山茂之上席研究員、ライフサイエンス技術基盤研究センター超分子構造解析研究チームの研究員らからなる研究チームは、RNAポリメラーゼが転写の状況に応じて働きを切り替える際の具体的な構造変化、そしてそれを制御するメカニズムを解明したと、2015年2月6日に発表した。
今回の研究成果の概要とは
RNAポリメラーゼは遺伝子の転写を担っている酵素で、巨大なタンパク質複合体。RNAポリメラーゼは、DNAの上を移動しながらその塩基配列をコピーすることでRNAを合成する。こうした役割を転写という。
実際にはRNAポリメラーゼが転写を行う際にはDNA上で一時停止や後戻りをする、また誤って転写してしまった場所を校正するなど、必ずしもスムーズに転写プロセスが進行しているわけではない。
こうした数多くの作業を実際に行うためには、RNAポリメラーゼは立体構造を変化させ、機能や活性を切り替えているがその具体的なメカニズムについては判明していなかった。
研究チームはRNAポリメラーゼが有する立体構造の一つである「ラチェット型」に焦点を当て、X線結晶構造解析や生化学的解析を通じてこの具体的なメカニズムを解明したのである。
(画像はプレスリリースより)

理化学研究所 プレスリリース
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