都市部の大震災で6階建てマンションの強度は?
兵庫耐震工学研究センターなどの研究チームは1月22日、兵庫県三木市にある破壊実験施設「E-ディフェンス(実大三次元震動破壊実験施設)」にて、「
鉄筋コンクリート造6層建物の崩壊までの余力を検証するための振動台実験」を公開で実施した。
文部科学省より委託を受けている調査研究で、建築基準法で想定されている以上の大規模地震に見舞われたときに、建物がどの程度の震度まで耐えられるかを検証するのが目的だ。
公開実験では都市部に多い、片側に共用廊下、反対側にバルコニーを有する6階建てマンションを30%縮小した試験体を製作。これにE-ディフェンスで徐々に加振し、どの程度まで耐えられるかを検証した。
阪神大震災の1.4倍までは大丈夫
試験結果では阪神大震災の1.2倍の揺れで、1、2階部の壁や柱にひび割れが認められ、1.4倍の揺れでは壁に穴があいて崩れたが、建物全体の倒壊には至らなかった。
しかし、これより周期の長い揺れでは、1.2倍の加振でビル1、2階部の柱と壁が壊れ、倒壊に至ることがわかった。
今回の実験で、現行の建築基準で建てられたマンションがどのくらいの規模の揺れに耐えられるのかを把握することで、RC造建物の崩壊余裕度の定量化や二次災害防止策の策定に役立つと考えられる。
(画像は、「鉄筋コンクリート造6層建物の崩壊までの余力を検証するための振動台実験」より)

鉄筋コンクリート造6層建物の崩壊までの余力を検証するための振動台実験(独立行政法人防災科学技術研究所)
http://www.bosai.go.jp/hyogo/news/experiment/pdf