安全性などの評価行う
タカラバイオ株式会社は1月21日、腫瘍溶解性ウイルスHF10によるがん治療の第Ⅰ相臨床試験を日本国内で実施するため、同日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に再生医療等製品としての治験計画届を提出したと発表した。
同試験では、悪性黒色腫や皮膚の扁平上皮癌などの固形がんを対象とし、HF10を反復投与した際の安全性などの評価を行い、PMDAによる治験計画届の受理後、試験実施施設の治験審査委員会による審査を経て、被験者登録・投与を開始するということだ。
米国でも臨床中
腫瘍溶解性ウイルスとは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖するウイルス(制限増殖型ウイルス)のことで、増殖によって直接的にがん細胞を破壊し、さらにその際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染し、破壊されたがん細胞の断片ががんに対する宿主の免疫を活性化することで、投与部位以外のがんも縮小することが期待されるというもの。
同社は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律において再生医療等製品に適用される制度などを活用してHF10の早期承認を目指し、日本国内で平成30年度に商業化することを目標としている。
米国においては、既にHF10の悪性黒色腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施しており、米国においても平成30年度に商業化することを目標としている。

タカラバイオ株式会社 ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=1769