高性能衝突緩和システム
メリトールとWABCOホールディングスの合弁会社で、商用車用ブレーキシステム、アクティブセーフティシステム、サスペンションや制御システムを扱うメリトールWABCO社は、追突軽減システム「OnGuard」が中型トラックにも利用できるようになったことを発表した。
メリトール WABCOの社長兼ゼネラルマネージャー、スティーヴン・ハンプソン氏は次のように述べた。
「2007年から大型トラックで広く使用されたOnGuardは、北米において有数の衝突緩和システムであり、90000台以上の車両で使用され、その走行距離は320億マイルにも達しています。」(プレスリリースより引用)
警告や自動ブレーキング機能
OnGuard衝突緩和システムは、商用車向けのレーダー搭載アクティブセーフティシステムであり、アクティブブレーキング、警告による衝突の軽減、およびアダプティブクルーズコントロールを提供している。
前方のオブジェクトを検出すると、道路上の物体との関係により車両の位置を測定し、音と視覚と触覚による警告を発することにより、追突回避の可能性を運転者へ警告するものだ。
また、OnGuardシステムは、クルーズコントロールが設定されていない場合でも、常に「オン」になっており、道路を監視し、警告やアクティブブレーキングを提供。潜在的に危険な運転行動予想が検出された場合、衝突軽減システムは、エンジントルクを減少させ、基礎ブレーキを自動的に適用し、警告を送信するというレスポンスを行う。
OnGuardの際立った特徴は、優れた高解像度を持つ長距離レーダーのおかげで、限定された視認性の条件でも「見る」ことができることだ。アメリカの連邦自動車運輸安全局の記録によると、大型トラックによる事故の約12%、大型トラックの衝突死亡事故の20%は、視界不良の場合に起こっている。
事故削減の報告も
中型トラックの売り上げは、大型トラックの年間売上高の約40%にも上る。OnGuardシステムを採用したことにより、大型トラックの事故が65%から87%も減少し、事故のコストも最大89%減少していると報告されていると、前述のハンプソン氏は指摘した。
中型と大型トラックに利用可能となった、OnGuardシリーズの2016年の新しい製品「OnGuardACTIVE」は、静止物体を検出したときに警告を発しブレーキングを行い、潜在的な事故を回避したり削減したりする。
さらに、OnGuardは、メリトール WABCOのフリート・パフォーマンス管理システムである「Proview」と連携して動作するように設計されている。
Proviewは、運転者のコーチングや事故再現ビデオのために使用されるビデオをキャプチャするためのトリガーとして、OnGuardシステムからの入力を受け取るという機能を持っている。
MERITOR Press Releases
http://www.meritor.com