大塚製薬とルンドベック社の契約内容
大塚製薬は、デンマークのルンドベック社との間で、研究中のアルツハイマー病ワクチン候補である、「Lu AF20513」を共同開発することで、2013年12月11日に合意しました。この契約によれば、大塚製薬が、ルンドベック社に対して400万ユーロ(約5億円)を契約一時金として支払う一方、ルンドベック社が臨床第I相試験に関する開発経費を負担する内容となっています。この臨床第I相試験は、2014年に開始予定です。
両者のアルツハイマー型認知症への取り組み
元来、大塚製薬とルンドベック社は、中枢薬事業に関するグローバルアライアンス契約を2011年に締結しており、アルツハイマー型認知症の症状改善薬であり、新規作用機序を有する「ブレクスピプラゾール」と「Lu AF20513」を共同開発していました。
現在のところ、アルツハイマー病に対しては症状の改善を目的とした治療法しかなく、病態の進展を抑制する治療法がありません。「Lu AF20513」は、病態の進展を抑制するワクチン候補として、今回新たに締結した共同開発によって、フェーズ1を開始する予定です。「Lu AF20513」はアルツハイマー型認知症の原因である、脳内におけるベータアミロイドの凝集と沈着を抑制するワクチンで、従来用いられているアルツハイマー型認知症治療の標準薬であるドネペジルを服用している患者に対して、同ワクチンを併用する臨床試験を実施中です。
両者の中枢神経領域の売り上げ規模は世界トップであり、今後も世界に3,400万人の患者がいるといわれるアルツハイマー病などの領域に対して、病態進展を抑制する薬剤が強く望まれていることから、両者は積極的に投資をしていく意向を示しています。

大塚製薬 プレスリリース
http://www.otsuka.co.jp/