事故現場の保線管理室で異常最多
今月19日にJR函館線で起きた貨物列車脱線事故に関連し、社内基準を超えたレールの幅や左右の高低差など97カ所を補修せず放置していた問題で、21日から特別保安監査を行っている国土交通省は、JR北海道に対し、監査員を増員して、監査期間を27日まで延長し、23日も札幌市の札幌保線管理室に調査に入った。
その結果、脱線現場のレールを担当していた函館保線所大沼保線管理室(北海道七飯町)では、最も多い23カ所の規程違反が見つかったことが分かった。
保線管理室はレールの保守管理などを担う現場部門で、道内を44に区分して設置されている。今回、事故が発生した大沼保線管理室とは対照的に、規程違反が1カ所もなかった保線所もあることから、国交省ではレールを管理する保線所によって、社内規程の違反件数に大きな差があると見ており、今後は保線所の業務内容を比較し、検査や管理の方法などを調べるほか、監査対象を車両や運転などの部門にも拡大して、安全を軽視したJR北海道の実態解明に乗り出す考え。
太田国土交通相「極めて遺憾」と批判
太田昭宏国土交通相は23日、訪問先の静岡県吉田町で、今回の件に関してコメントを求められ「知らなかった、忘れてしまったで、済まされる問題ではない。極めて遺憾に思う」とJR北海道を批判した。
一方、JR北海道の野島誠社長は22日の記者会見で、多数の異常を放置していたことに関し、「ヒューマンエラーでなく、組織としての観点で見るべき重大な事象だと考えている」と述べたが、具体的な対応策については明言しなかった。

JR北海道
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