新規診断急性前骨髄球性白血病の治療法について検証
急性前骨髄球性白血病の標準的な治療は、アントラサイクリン系薬剤用いることなのだが、今回Tor Venditti大学のFrancesco Lo-Coco氏らは、他の薬剤併用することによってどのような効果が出るのかについて研究を行った。
検証方法として、多施設共同試験を実施した。急性前骨髄球性白血病の患者を無作為で選出し、全トランス型レチノイン酸を使用する標準治療法と、アントラサイクリン系薬剤と化学療法、もしくは低容量化学療法とアントラサイクリン系薬剤を併用した方法と、アントラサイクリン系薬剤と三酸化ヒ素を併用した治療法に分け、2年間追跡調査を行った。
(Wikiメディアより引用)
三酸化ヒ素を併用した方が治療効果が高い
完全に評価することができた患者は77人。生存率はアントラサイクリン系薬剤のみを使用した場合と、三酸化ヒ素を併用した患者に差はあまりなかった。
アントラサイクリン系薬剤と化学療法を行った患者とアントラサイクリン系薬剤のみ、もしくは三酸化ヒ素を併用した患者の治療効果について比較した結果、三酸化ヒ素を併用した患者は血液内の毒性が少ないことや、より多くの肝毒性と関連することがわかった。
急性前骨髄球性白血病の治療として、アントラサイクリン系薬剤に三酸化ヒ素を併用は、アントラサイクリン系薬剤のみもしくは化学療法を行うよりも、効果がある可能性が高いという結論となった。(福田絵美子)

NEJM誌
http://www.nejm.org/