経口α4インテグリン阻害剤「AJM300」
2014年5月13日、味の素製薬株式会社は同社が開発中のα4インテグリン阻害剤「AJM300」の潰瘍性大腸炎における臨床前期第2相試験の結果が発表されたことを明らかにした。
同試験の結果は5月3~6日にシカゴで開催された米国消化器病週間(Digestive Disease Week 2014)で発表された。
活動期潰瘍性大腸炎患者を対象として行われた今回の試験では、主要評価項目の8週時の改善率を比較するとAJM300投与群が62.7%、プラセボ群が25.5%となり、統計学的に有意な改善を示した。また副次評価項目においても寛解率で前者は23.5%、後者は3.9%、粘膜治癒率で前者が58.8%、後者が29.4%となるなど、いずれもAJM300投与群が同様に有意な改善を示した。
(画像は味の素製薬ホームページより)
新たなメカニズムをもつ新薬の可能性
潰瘍性大腸炎において、「AJM300」は炎症部分へのリンパ球の接着・浸潤を防ぐ機序をもつ。潰瘍性大腸炎の病勢には炎症部位への過剰なリンパ球浸潤が関係しているとされるため、「AJM300」は新たな治療薬となる可能性がある。
さらに経口剤であることから、患者への負担も軽くQOLの向上にも期待できる。

米国消化器病週間での経口α4インテグリン阻害剤AJM300の潰瘍性大腸炎における臨床前期第2相試験治験結果発表について
http://www.ajinomoto-seiyaku.co.jp/