高リン血症治療剤「リオナ錠250mg」の販売開始
日本たばこ産業株式会社(以下JT)と鳥居薬品株式会社(以下鳥居薬品)は高リン血症治療剤「リオナ(R)錠250mg(一般名:クエン酸第二鉄水和物)」を国内で販売することを発表した。リオナ錠は透析中の慢性腎臓病患者および保存期慢性腎臓病患者の血清リン濃度を下げる作用が期待されている。
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病とは1つの病気のことをではなく、腎機能が徐々に低下していく全ての腎疾患を指す。放置したままにしておくと末期腎不全となって透析や移植を受けなければ生きられなくなってしまうだけではなく、心臓病や脳卒中などの心血管疾患にもなるやすい。日本は慢性腎臓病患者が多い国で成人の8分の1にあたる1330万人の患者がいるといわれている。
慢性腎臓病患者は腎臓からのリン排泄が低下するので、血中のリン酸濃度が異常に上昇した状態やそれに伴って症状が発症する高リン血症状態になると言われている。それが原因で臓器や関節周囲に石灰沈着が生じやすくなる。そして、血管壁の石灰沈着が心筋梗塞や狭心症を発症する危険性を高めると言われている。
リオナ錠の作用機序
リオナ錠はクエン酸第二鉄水和物を有効成分とする新規リン吸着剤だ。消化管内で鉄とリン酸が結合し体内へのリンの吸収を抑制することで、血清リン濃度を低下させる効果がある。
海外でもケリックス社が米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)にリオナ錠の新薬承認申請を行っている。

日本たばこ産業株式会社
http://www.jti.co.jp/鳥居薬品株式会社
http://www.torii.co.jp/index.html