女性は靱帯を損傷し易い
女性アスリートが男性アスリートに比べ約8倍も膝前靱帯を損傷してしまっているという事実がある。
(この画像はイメージです)
アメリカ、オハイオ州アクロン市にある小児科と大学の研究チームが合同でこのことについて研究を行い、その結果女性が男性に比べ靱帯を損傷し易い理由は男女の遺伝子の違いからきていると発表した。
この研究結果は年に一回行われるアメリカンアカデミー整形外科学会にて発表された。
女性が靱帯を損傷し易い理由1
アクロン市小児科の院長であるカーウィン・ジョーンズ医師とアクロン大学の重合体科学教授ウィリアム・ランディス医学博士に率いられた研究チームは、膝前靱帯を損傷した7人の男女のアスリートの靱帯組織の生体組織検査を行った。
検査はマイクロレベルの分析にもおよんだ。検査結果、男女の遺伝子情報の違いは組織のタンパク質の性質にも影響を与えることがわかり、女性の持つ膝靱帯のタンパク質組織は男性のそれに比べ弱いことがわかった。
女性が靱帯を損傷し易い理由2
もう一つ、女性の靱帯組織が男性のそれに比べ弱い理由を説明できるかもしれない仮説がある。それは、男女の骨の構造と機能の違いだ。
女性は男性に比べX脚になる傾向が強く、ジャンプするときには膝を伸ばし膝をくっつける。加えて、女性は生理期間、ホルモンバランスの関係で膝の靱帯が通常よりゆるみ、その結果強度が弱くなってしまう。
靱帯を強くするために
医学は遺伝子情報を変えることはできないが、医学の進歩は今や、女性の体の構造を把握し体を強くすることはできる。そして、耐膝靱帯損傷プログラムは、できるだけ早めの時期、女性アスリートが中学生くらいのタイミングで行っていくのが好ましいと言われている。(高峰一誠)

Genes may explain higher ACL injuries in girls
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