患者由来のiPS細胞を用いる
富士フイルム株式会社と京都大学iPS細胞研究所(以下CiRA)は、「T-817MA」に関する共同研究を3月より開始した。
「T-817MA」は、患者由来のiPS細胞を用いるアルツハイマー型認知症治療薬。全く新しい薬剤開発へのアプローチであり、アルツハイマー型認知症治療薬の開発を加速させるものだという。
研究の過程で見出した「T-817MA」
富士フイルムはグループ会社において、アルツハイマー型認知症の治療薬の研究を進めてきた。
その過程で、強力な神経細胞保護効果と神経突起伸展促進効果を持つ「T-817MA」を見出した。「T-817MA」は、病態動物モデルでも高い治療効果を示したという。現在は、米国で第II相臨床試験を進め、バイオマーカーの解明に取り組んでいる。
一方、CiRAの研究チームは、アルツハイマー型認知症患者の原因遺伝子によって、神経細胞死やアミロイドベータの分泌などに差があることを、解明している。
患者に届く薬剤開発を
富士フイルムとCiRAは、「T-817MA」の有効性を予測するバイオマーカーの特定や、アルツハイマー型認知症患者の治療に関する共同研究を、CiRAの解明結果を活用して行う。対して今回の共同研究は、ヒトの臨床試験でのデータに付き合わせて解析することが特長となる。これにより患者に届く薬剤開発が可能になると、同社は考えている。

富士フイルムと京都大学iPS細胞研究所 アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を開始 - プレスリリース
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