サンアントニオ乳癌シンポジウムで
アステラス製薬株式会社は、経口アンドロゲン受容体阻害剤「エンザルタミド」に関する学会発表の内容を公表した。
学会発表は、サンアントニオ乳癌シンポジウム第37回年次総会にて行われた。内容は、トリプルネガティブ乳癌患者を対象とした同剤の第2相臨床試験データについて。
同疾患では最も規模が大きい臨床試験
「エンザルタミド」は、アステラス製薬と米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めている、経口アンドロゲン受容体阻害剤。試験は、アンドロゲン受容体陽性トリプルネガティブ進行再発乳癌患者を対象として、同剤の単剤療法における有用性を検討するべく、実施された。
アンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ乳癌は、最近になって特定されたサブタイプ。今回の試験は、同疾患を対象とした臨床試験としては最も規模が大きく、ホルモン療法の客観的腫瘍縮小効果を検討するものとしては初めてとなる。
既承認薬が存在しないトリプルネガティブ乳癌
同試験における同剤の臨床的有用率は、ステージ1である16週時の段階で、ステージ2を開始する基準を十分に満たしていると判断された。ステージ2の全データは、2015年中を目途に解析を行うとしている。
トリプルネガティブ乳癌には現在、同疾患を適応とした既承認薬が存在しない。そのため、治療は、通常化学療法が行われている。

経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド 乳がんを対象とした第II相臨床試験のデータを発表 - アステラス製薬株式会社
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/