白金と磁石だけで
首都大学東京は27日、N極、S極だけの磁石「磁気モノポール」を簡単な構造で作る技術について、理論的な可能性を示した。
世界初の技術理論
磁石にはN極とS極がある。これは不可分であり、たとえ棒磁石を半分に切ったとしても、長さが半分になるだけで、両端はやはN極、S極になる。
磁気モノポールは、理論上存在するものとされてきたが、その製造には莫大なエネルギーが必要なため、不可能というのが従来の常識であった。
首都大学東京では、この常識を覆し、磁石と白金を組み合わせるだけで、磁気モノポールを製造する方法を発明したという。
レアアースなしで高密度デバイス
実現すれば、さまざまな技術への応用が期待される。これまで高密度デバイスを製造するには、レアアースが必要であった。
世界中で分布が限られており、特に中国に多く埋蔵されていることから、しばしば外向的な駆け引きの道具として用いられてきた。
2010年に尖閣諸島近海で発生した中国漁船拿捕事件でも、中国側は報復として一時レアアースの対日輸出を規制している。
新技術によって外交的な不利益を回避できるとしたら、技術立国日本の面目躍如といえる。

◆N極・S極だけをもつ磁石・磁気モノポールの発見
首都大学東京 大学院理工学研究科
多々良源准教授と竹内祥人研究員
http://www.tmu.ac.jp/news/topics/4376.html?d=assets/files/download/thesis/press_120227.pdf