学生と市民の交流の場に
山形大農学部キャンパス近くの実験圃場(ほじょう)に、交流農園が完成した。市民と学生が触れ合いながら野菜づくりを楽しめる街中の農園として、来春オープンする。
敷地を荒れ放題にするのはもったいない
農学部はかつて、砂丘地農場、高冷地農場、実験圃場の3カ所で教育・研究を進めてきたが、1974年に同市高坂に
付属やまがたフィールド科学センター高坂農場を開設し、3つの農場・圃場を統合した。
その後、ガラス温室などが設けられたが、一部はやがて雑木林になった。「敷地を荒れ放題のままにしておくのはもったいない」と、市民も利用できる農園として開放することにした。
あずまやも完成。あとは開園を待つばかり
L字形に2180平方メートルを確保。地下の水位が高いため、砂を30センチほど敷き詰めた上に表土を戻した。L字のコーナー部分には、あずまやと水くみ場を設置。演習林で伐採したスギを活用してテーブルとイスを置き、憩いの空間を演出している。
既に大まかな区割りはしており、40区画程度を想定。有料とし、耕具や耕運機は貸し出す。市民と学生が交流できるよう、交互に区画を割り振ることを考えている。土屋敏明事務ユニット長は「学生は作物の生育について理論では分かっていても、実際の栽培となると市民に聞くことの方が多いのでは」と話している。
産学連携協定企業が支援を申し出
今後、愛称を公募するとともに利用者を募集し、新年度に農園開きを行う。収穫祭などのイベントも検討しており、今年3月に産学連携協定を結んでいる
鶴岡信用金庫が支援を申し出ている。