今年5月以降、自殺者急増
5月以来自殺者が急増しているのは、同月12日に自殺した女性タレント上原美優の影響。7月4日に自殺対策支援センター・ライフリンク代表が内閣府の自殺対策会議においてそう報告したとされる。
上原さんの自殺以前、2011年の自殺者は1日平均82人だったが、自殺が報道された翌日から急増。その後の1週間では124人にのぼったという。特に上原さんと同年代で、都市部に住む女性の自殺が急増した。
こういった現象は各国でたびたび見られ、「ウェルテル効果」と名付けられている。日本では1986年に岡田有希子さんが亡くなった際、やはり若い女性の自殺者が増加した例が有名。
震災よりタレント?
この自殺対策支援センター・ライフリンクの報告は、正確に報道されていない。実際に同報告では、有名人の自殺を報道する際、マスコミが報道内容についてもっと慎重に配慮すべき、と語っている。慎重さを欠いた事例として、5月以降の自殺者増をあげたところ、「上原美優の自殺が原因」と報じたものだ。
WHOなどの指針でも、有名人の自殺については、自殺の状況など詳細を報道しないといった方針が示されている。
今年3月以降、自殺者は前年を上回っているが、主な原因は東日本大震災と言われている。被災者に対する援助が後手に回っている現状を無視して、政府もマスコミも自殺者増の原因を一女性タレントに押しつけようとしているようだ。

◆ライフリンク コメント
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/110706_coments.pdf