若者の育成・評価モデル事業 人間的成長を競い合う
大学生らが授業やゼミ活動などを通してさまざまな課題に挑戦し、その成果と人間的成長を競い合う「社会人基礎力育成グランプリ」。
経済産業省が産学連携で進めている若者の育成・評価モデル事業のひとつで、将来社会に出たときに職場や地域で活躍できる力を早い段階から養ってもらうのが狙いだ。
その西日本予選大会がこのほど、大阪市北区の
大阪国際会議場(写真)で開かれ、西日本エリアの25大学が出場。若さと創意あふれる実践例が報告された。
予選会場では、パワーポイントを使って大画面に映し出された「歩行支援ロボット」の開発プロジェクトが会場の注目を集めていた。発表したのは
大阪工業大学チーム。「人と調和できるロボット」を学生たちが地元企業と共同開発し、自律型ロボットの技術を競う大会「つくばチャレンジ」に参加するまでの経緯が報告された。
プロジェクトには情報科学部の3研究室から学生が参加。ともに初対面だったが、連日深夜まで試作を続けるなかで互いの信頼感が生まれ、チームワークを維持するうえで必要なコミュニケーション力や、最後まであきらめずに課題と向き合う熱意の大切さを実感したという。
若者の人間関係が希薄化、社会人基礎力が必要に
この事業モデルの背景にあるのが、IT(情報通信技術)の進展などに伴って進んでいるといわれる若者の対人関係の希薄化。携帯電話やパソコンに過度に依存した生活の影響で人間関係がうまく築けない学生が増えているという。
このため、経済産業省は2007年度から社会人基礎力の育成を目的に産学連携事業をスタート。「社会人基礎力育成グランプリ」はその成果発表の場として開かれている。