自ら遺影を描く人たち……
鎌倉市で活動する「水彩芦の会」では、2010年中頃から、自画像の制作に励む人たちがいる。葬儀などのとき、お気に入りの自画像を遺影として飾ることが目的だ。
(NPO法人)鎌倉シチズンネットの「友の会」会員で、水彩画家の芦澤邦子さんが主宰する「水彩芦の会」では、「人生最後のスポットライトの中に、お気に入りの自画像を」との思いで、指導に当たっている。
生前、遺影用の写真を撮影する人が増えているが、指導する芦澤さんは「写真より絵の方が特徴をよく捉えている」という。「シワやシミを描かなくていい。本人のお気に入りがいいんです」とのことだ。
遺影の指定はあまり喜ばれない?
遺族の立場に立つと、遺影の選択に困ることが少なくない。2011年2月に質問サイトHatenaで実施されたアンケートでは、91%の方が家族の死に際して、「遺影を急きょ作った」と回答している。生前から撮っていた方は3%、指定していた方は6%と少数にとどまる。
ただし、「遺影を事前に指定されていた方がいいか」、という問いに対しては、58%と過半数の方が「遺影は遺族が決める」と答えており、「遺影を指定されていた方がいい」と答えた方は42%と少数派である。
「お葬式の際、アルバムなどの思い出の品がある方がいいと思いますか?」という問いには、63%の方が「あった方がいい」と答えているので、自画像は遺族にとって「遺影」より「思い出の品」として喜ばれる可能性が高い。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦
◆神奈川コミュニティーサイト カナロコ