最高齢での最高峰登頂、夢果たせず
5月9日、元ネパール外相シャイレンドラ・クマル・ウパダヤ氏がエベレスト登山中に死亡した。
ネパールの情報サイト「The Himalayan」によると、ウパダヤ氏は登山中、低酸素による高山病に苦しんでいたが、持病の高血圧により、さらに悪化。ベースキャンプに戻る途中で倒れ、死亡したという。
遺体は10日、首都クアラルンプールに空輸される予定。
周到な準備を整えてのチャレンジ
世界最高峰のエベレストは8848mの標高を誇る。これまで同じネパールの登山家ミン・バハドゥール・シェルチャン氏が76歳での登頂しており、これが最高齢での登頂成功とされている。日本のプロスキーヤー三浦雄一郎氏も75歳での登頂に成功している。
今回、ウパダヤ氏は記録の大幅な更新を目ざし、3年前から訓練を重ねてきた。6000メートル級の登頂にも成功しており、シェルパ7人とともに満を持してのチャレンジだった。
文化人として愛された元外相
ウパダヤ氏は1980年代半ばにネパール外相を務めた。1940年代には、インドの反イギリス運動に参加。その後、ネパールにおいて数々の大臣職を歴任してきた。政治家としてだけでなく、作家、市民社会活動家としてもネパール市民に広く敬愛されていた。
著:ハッピーライフエンド編集長 谷垣吉彦
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