コミュニケーションとリーダーシップの資質における関連性
2月15日、 ニューヨーク州立大学バッファロー校(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、リーダーシップと外向的な性格には関係性がなく、コミュニケーション能力こそリーダーシップの判断基準になると報告した。
コミュニケーションとリーダーシップの資質には関連性があり、コミュニケーション能力によって、チームにおけるリーダーシップを判断できるという。つまり、コミュニケーション能力から、チームリーダーとして頭角を現すビジネスパーソンを予測できる。
なお、研究論文は、「Journal of Applied Psychology」に掲載されている。
外向的な人はリーダー向き?
これまで、長年に亘って、外向的な人は、カリスマ性を持った話し手であり、リーダーとしての素質を持っていると考えられてきた。
外向的な性格とは、外部に対して能動的かつ積極的に働き掛ける性格といわれる。社会的相互作用の中心に身を置く傾向にある。また、外向性を含め、性格・特性は、個々の一連の行動に深く関与し、反映されている。
それゆえ、外向的な性格の場合、コミュニケーションを通じてチームメンバーと良好な人間関係を構築するため、チームリーダーとしての素質を持つ傾向にあると考えがちである。
性格・特性とリーダーシップにおける関係性
今回、研究チームは、調査対象者630人以上を無作為的に140チームに振り分け、架空の会社において、新しいエグゼクティブを採用し、会社の新しいイニシアチブを特定する役割を割り当て、性格・特性とリーダーシップにおける関係性を検証した。
調査を通じて、被験者のコミュニケーション能力、性格や人格を評価したところ、コミュニケーション能力と外向性に有意な相関関係は認められなかった。チームリーダーに任命された被験者に最も一貫して影響を与えたものが、コミュニケーション能力であったという。
つまり、社交的でおしゃべりな外向的な人が、必ずしも周囲と効果的にコミュニケーションを図り、リーダーの素質を持っているわけではないという。
外向性は先天的で生まれ持った資質であるが、コミュニケーション能力は後天的である。研究チームは、本人の努力次第でコミュニケーション能力は身に付き、伸ばせると強調する。効率的なコミュニケーションは、ビジネスに肯定的な影響をもたらし、成功につながる。
(画像はプレスリリースより)
University at Buffalo
http://www.buffalo.edu/