拘留者に日常的な殴打・尋問する国軍
米国に基盤を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は6月22日、ミャンマーで軍事クーデター勃発以来、治安部隊が数千人の国民を恣意的に拘束し、その多くが拷問や日常的な殴打、その他の虐待を受けていることを明らかにした。
被害者の中には17歳の少年もおり、彼は殴打、火のついたタバコによる火傷、長期にわたる負荷がかかる姿勢の強制、ジェンダーに基づく暴力などを受けている。
同少年は5月初旬、夜間襲撃で拘束され、ライフルで頭を殴られたという。その後、目隠しをされて尋問センターに連れて行かれ、4日間、セメントで満たされた竹の棒で繰り返し殴られている。
3日目には同少年を尋問場所から約1時間離れた森林地帯につれていき、目隠しをされたまま手を縛られた上に横にされた。拷問者は少年を根掘りくわで殴るつもりだったといい、少年は生き埋めにされることを覚悟したという。
当局は同少年を7日間拘留した後、インセイン刑務所に移送。ついに彼が子供であることを認め、少年院に送った。彼は虚偽の自白に署名した後、最終的に釈放されたという。
なお、同少年は首まで埋められ、模擬埋葬されている。
少なくとも22人が拘留中の拷問で死亡
HRWによると、ミャンマー国軍と警察は過密で非衛生的な尋問センターや刑務所で、拘留者を長期間拘留することがよくあり、拘留された人々は弁護士や親族と連絡することができないという。
また、17歳の少年が受けた拷問や暴力は、彼に限られたことではなく、他の拘留者も同様に受けている。少年と一緒に拘束された人々は4日間食べ物と水を拒否され、生き残るためにトイレの水を飲んだという。
ビルマ政治囚支援協会(AAPP)によると、クーデター以降、少なくとも870人が死亡し、少なくとも22人が拘留中の拷問で死亡したとしているが、実際の数はさらに多くなる可能性がある。
(画像はプレスリリースより)
(C)2021 AP Photo
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/