新型コロナウイルス関連倒産601件のうち「飲食店」の倒産は86件
コロナ関連に限らず「ラーメン店」の倒産が36件と過去最多を更新する勢いで急増
過度な競争を避けるためにはマーケティング戦略に力を入れるべきとしている
「飲食店」倒産件数は1カ月間で17件増
帝国データバンクの発表によると、10月9日までに新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で601件確認された。
そのうち「飲食店」の倒産件数は86件で、業種別で最多となった。
先月9月8日時点における「飲食店」の倒産件数は69件だったので、およそ1カ月で17件の飲食店が倒産したことになる。
さらに「飲食店」の倒産件数を都道府県別に見ると「東京都」が18件、「大阪府」が11件、「神奈川県」が6件と、大都市を中心に倒産件数が多い。
また、区市別で最多となったのは「東京都渋谷区」「東京都港区」で各5件。次いで「東京都中央区」が4件、「大阪府北区」「栃木県宇都宮市」が各3件だった。
「ラーメン店」倒産件数は過去最多を更新確実
倒産件数が業種別で最多である「飲食店」のうち、新型コロナウイルス関連に限らず、特に倒産件数が急増傾向にあるのがラーメン店と言われている。
2020年1~9月に倒産したラーメン店は34件。
これは2019年の年間倒産数36件に迫る数で、過去20年で最多を更新する可能性が高いと見られている。
もともと「競合店との競争激化」が倒産理由の多数を占めていたラーメン店は、人件費・原材料費が値上がりする一方でラーメン1杯あたりの価格が10年間で27円ほど減少している。
さらに、コロナ禍の影響で外国人旅行者によるインバウンド需要が喪失。国内でも外食市場が昨年2019年比で8割程度の水準にまで落ち込むと予想され、より苦境に立たされることになった。
今後は競争激化を避ける戦略が必要とされる
帝国データバンクによると、新型コロナウイルス関連倒産の月別発生件数は115件だった6月をピークにゆるやかな減少傾向にある。
しかし、ラーメン店に限らず、コロナ禍収束までに時間がかかれば事業者の資金繰りが再び悪化、倒産件数が増加する懸念も否めない。また、宅配・テイクアウトなど内食需要の高まりによる競争激化に対応できない事業者の増加も予想される。
これを受け、同社は
今後のラーメン店の経営にはブランドや低価格性以外に、出店におけるマーケティングなど緻密な戦略が、過度な競争を回避する上で重要なファクターとなる。(帝国データバンクより)
とまとめている。
(画像はプレスリリースより)
帝国データバンク
https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html