ラーメン店の倒産件数が9月時点で34件となり、過去最多更新が確実
ラーメンの価格は10年前より27円値下がり、デフレ化が進んでいる
他店との競合もあり経営改善が難しく、緻密なマーケティング戦略が必要である
ラーメン店の倒産、過去最多更新の見込み
帝国データバンク調べによると、2020年1月~9月の期間で、ラーメン店の倒産が34件であることがわかった。
ラーメン店の倒産件数、過去最多は19年の36件で、現時点で過去20年間の最多を更新することが確実視されている。
特に、根強いファンを持っていた人気ラーメン店である、豚骨ラーメンの「長浜将軍」(福岡)、横浜家系ラーメン「六角家本店」(神奈川)などの倒産はファンたちから惜しむ声が多く聞かれた。
近年、ファン層の拡大で乗りに乗っていたラーメン業界だが、トレンド変化が激しく、次々オープンする新規店との競合で生き残りが難しい業態でもあった。
それに加え、今回のコロナでインバウンド客需要の喪失が追い打ちとなり、新興店・有名店ともに経営に行き詰まるケースが急激に増えているようだ。
ラーメン店は大人気の一方、デフレ化が進む
近年飲食業界では人気のラーメン店だが、他業態よりも新規参入がしやすいことから、店舗数が4年前から約1000店増加しており、他店との競争が特に激しい業界である。
その競争がラーメンの低価格化に向かい、東京都のラーメン価格統計によると、10年前は1杯当たり550円だった価格が今年の8月時点では523円と、27円ほど値下がりしている。
人件費や原材料費の高騰により、値上げに踏み切ったラーメン店では、客数が激減する結果となり、値上げには慎重にならざるを得ないことも、経営改善を難しくしている。
今後は、出店に際し緻密なマーケティング戦略が重要
経営改善が見込めないため、ラーメンの大手チェーン店では、これまでの拡大路線を見直すことを余儀なくされ、不採算店の閉鎖を急ピッチで進めている。
「手頃な価格で気軽に食べられる」ことがラーメン人気の理由でもあるが、そのことがラーメン店の経営を苦しくしている理由にもなっているという皮肉な状況を生んでいる。
これまで、次々と新規店がオープンし、過度な競争を続けてきたラーメン業界だが、有名ブランドも生き残れない現実を受け、今後は出店に際し、緻密なマーケティング戦略が重要となってくるだろう。
(画像はプレスリリースより)
ラーメン店の倒産が急増、20年は過去最多の見込み 競争激化で厳しさ鮮明に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000043465.html