安全性や有効性等の評価を行う
タカラバイオ株式会社は、2018年1月17日、滑膜肉腫を対象とするsiTCR遺伝子治療(開発コード「TBI-1301」)の国内第1/2相臨床試験において、1例目の被験者へ遺伝子導入細胞を投与したと発表した。
同試験は、がん抗原NY-ESO-1を特異的に認識するTCR(T細胞受容体)の遺伝子を、被験者の免疫細胞に体外で導入し、その遺伝子導入細胞を被験者に投与した際の安全性や有効性等の評価を行うというもの。
がん抗原のひとつ、NY-ESO-1
がん抗原は、免疫細胞ががん細胞と正常細胞を見分ける際に目印となるもの。NY-ESO-1は、がん抗原のひとつであり、滑膜肉腫・悪性黒色腫・食道がん・卵巣がん・多発性骨髄腫・頭頸部がんなどで発現が確認される。
滑膜肉腫は、悪性軟部腫瘍のひとつであり、局所転移および遠隔転移を生じる予後不良の疾患。同疾患の症例では、NY-ESO-1抗原の発現率が高く、腫瘍組織全体において比較的均一に発現する。また、細胞あたりの発現量が高いという特徴も持つ。
2020年度を目標として商業化を目指す
タカラバイオは今回の試験において、同社独自技術であるレトロネクチン遺伝子導入法やレトロネクチン拡大培養法、TCR遺伝子導入用レトロウイルスベクター(siTCRベクター)を使用。滋賀県草津市の遺伝子・細胞プロセッシングセンターにて、遺伝子導入細胞を調製するとしている。
同社は今後、同治療の早期承認を実現し子、日本国内では2020年度を目標として商業化を目指すとをしている。
(画像はタカラバイオの公式ホームページより)
滑膜肉腫を対象としたNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療の臨床試験において第1例目への投与を開始 - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=4958