構造物を完全にプレキャスト化する「スーパーリング工法」
鹿島建設株式会社は12月12日、都市部の道路トンネルなどを開削工法により構築する際、構造物を完全にプレキャスト化する「スーパーリング工法」を開発した、と発表した。
従来法と同コスト、作業員約90%削減、工程約50%短縮
近年、建設現場における熟練作業員不足の懸念から、現場作業の省力化による生産性の向上が課題である。
都市部の開削トンネル工事において、従来の工法では鉄筋、型枠、コンクリート打設、防水など複数の工程が必要なため、多数の作業員と作業時間が必要であった。
鹿島は、現場作業を低減するプレキャスト工法を改良し、都市部の狭隘な場所においても施工可能で合理的な構造とすることで、コストは従来工法と同等で、大幅な省力化と工程短縮を実現する「スーパーリング工法」を開発した。
同工法では、構造的に強い円形の大型リングセグメントを地上で組み立てる。リング構造のため部材を薄くすることができ、1リングの重量が約45tと同規模のボックスカルバートと比べ1/4に軽量化され、汎用揚重機での施工が可能となる。
リングセグメントを掘削した空間に吊り下ろして所定の位置に設置後、複数のセグメントのリング間を水膨張シールでプレストレスにより一体化させて止水性を確保し、道路トンネルなどを構築する。
従来の場所打ちコンクリートによる工法と同等のコストで、現場作業員数を約90%削減し、躯体構築の工程を約50%短縮できる。
今後、三井住友建設と共同で、2車線の道路トンネルをモデルとした実物大の実証実験を実施し、さらなる生産性向上に向けて、施工方法の検証を行う、とのこと。
(画像はプレスリリースより)
鹿島建設株式会社のニュースリリース
https://www.kajima.co.jp/news/press/201712/12c1-j.htm