新規治療法開発への応用に期待
東京医科歯科大学は、10月18日、同学大学院医歯学総合研究科メタボ先制医療講座・橋本貢士寄附講座准教授が、バセドウ病の再発を高精度に予測する新しいバイオマーカー「Siglec1」を発見したと発表した。
「Siglec1」は、国内4施設において臨床応用が可能であることが明らかになっており、難治性バセドウ病の病態解明および新規治療法開発への応用が期待できるものだという。
バイオマーカー開発が切望されていた
バセドウ病は、過剰な甲状腺ホルモン分泌を惹起する自己免疫疾患。日本では、抗甲状腺薬による薬物療法が最も多く選択されていますが、寛解導入後の再発率が高く、臨床上の大きな問題になっている。また、高率に再発を予測するバイオマーカーの開発が臨床現場で切望されていた。
橋本准教授らの研究グループは今回、バセドウ病の再発を繰り返す患者の末梢血白血球において、「Siglec1(シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン1)」の遺伝子発現が著明に増加していることを、DNAマイクロアレイにより発見。東京医科歯科大学・群馬大学・隈病院・伊藤病院における検証の結果、新しいバイオマーカーとなり得ることを明らかにした。
病態解明の手がかりに
バセドウ病寛解時における「Siglec1」遺伝子発現レベルによる再発の高精度な予測は、患者ひとりひとりに対する再発防止のための正確医療を可能にすると、橋本准教授はする。
また「Siglec1」は、患者のQOL向上につながると共に、難治性バセドウ病の病態解明の手がかりとなることも期待できるとしている。
(画像はプレスリリースより)
バセドウ病の再発を高精度に予測する新しいバイオマーカーを発見 - 東京医科歯科大学
http://www.tmd.ac.jp/press-release/20171018_1/