逆打ち工法を適用する超高層建築物において地下部分の鉄骨製作を効率化
2017年9月15日、株式会社大林組は、新日鐵住金株式会社との共同研究により、逆打ち(さかうち)工法を適用する超高層建築物の施工において、逆打ち支柱に設置するダイアフラムが不要となる、柱梁接合部構法「ダイアのん」(以下、同構法)を開発したと発表した。
逆打ち工法とは、先に地上1階の床を構築し、順次上層階から地下階の床を構築し、地下と地上の工事を並行して行う工法であり、逆打ち支柱は、床を支える柱で、あらかじめ地中深くに埋め込まれる。
また、ダイアフラムとは、鉄骨の柱と地下階の床を支える梁の接合部分を補強するために用いる鉄骨のプレートで、鉄骨の梁に溶接される。
ダイアフラムの設置位置を決定するためには、施工者が設計図に基づいて施工図を作成し、詳細に検討・確認する必要があるが、多大な時間を要することが多く、場合によっては元の設計図を修正するなどで、逆打ち支柱の発注時期が遅くなってしまうことが課題であった。
「ダイアのん」の特長
同構法は、ダイアフラムによる補強を不要とする工法で、ダイアフラムの設置位置の検討・確認作業も不要となるため、早期に鉄骨を発注できるとともに、溶接量が減少し、製作工程も短縮するため、コストが削減される。
また、従来はダイアフラムと梁の溶接位置がわずかにずれ、補修溶接が必要となる場合があったが、同構法ではダイアフラムがないため、このような補修手間が生じず、また、設計変更により床レベルの変更があった場合でも、柔軟に対応できる。
(画像はプレスリリースより)
大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20170915_02