大分川ダム建設工事
鹿島建設(以下 鹿島)は、次世代の建設生産システムの確立を目指し、土木工事におけるICT施工の普及に取り組んでいる。その現場のひとつ、大分県大分市で施工中の「大分川ダム建設工事」を2017年4月17日に紹介した。
国土交通省九州地方整備局が進める「大分川ダム建設工事」は、堤高91.6メートル、堤頂長496.2メートル、堤体積378万1,000立方メートル、総貯水容量2,400万立方メートルの中央コア型ロックフィルダムを建設する。2013年9月に着工。
工事は基礎掘削にはじまり、岩石や土質材料などを盛り立てて造るダム堤体の盛立工事を中心に、監査廊・洪水吐・取水放流設備などのコンクリート構造物の施工、その他工事用道路の整備や仮設備工、法面工など、様々な工種の作業が同時進行で行われている。
ICTと鹿島CIM
CIMは、コンピュータ上に作成した構造物の3次元モデルに、工事に関する様々な情報を盛り込み一元管理できるデータベースを構築し、設計・施工から将来の維持管理までのあらゆる工程で情報活用するベースとなる。
大分川ダムでは、発注者が作成した2次元の設計図面を3次元化し、材料や地質データをはじめ施工で得られた各種情報を追加・更新し、クラウド上で発注者・コンサルタント・施工者が共有している。
一元管理された各種データは、〈設計照査・施工計画〉〈施工管理〉〈品質管理〉〈出来形・出来高管理〉〈維持管理〉の各フェーズにおいて迅速にフィードバックでき、ICT施工と相互連携しながら活用されている。
3次元ビューは説得力
鹿島では20年以上さかのぼる宮ヶ瀬ダム建設の時代から、3D-CADを活用し、ダムの設計・施工情報を管理している。構造物などの情報が3次元で可視化できるため、構造物の相互干渉や2次元の設計図面では表現困難な箇所の確認が容易で、施工計画の精度が格段に向上し、省力化にもつながる。
3次元のバーチャルなビューは、発注者との検討業務においても説得力のある説明ができ、近隣への工事説明や作業員への指示出しにも非常に有効なツールである。
(画像はプレスリリースより)
鹿島 プレスリリース:
http://www.kajima.co.jp/forefront_01/