第II相国際共同治験結果を米国皮膚科学会で報告
2016年3月6日、中外製薬株式会社は同社が開発中の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体Nemolizumab(CIM331)について、米国皮膚科学会年次総会にてその第II相国際共同治験の成績を発表した。
同治験は、CIM331の有効性と安全性についての検討を目的として、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者264名を対象に実施された。
患者は4つのCIM331群又はプラセボ群にランダムに分けられ、皮下投与を受けた。その結果、主要評価項目である12週時のそう痒VAS 変化率について、CIM331投与群はプラセボ群に対する有意な改善を示したという。またCIM331投与群においては忍容性も認められた。
抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体
CIM331はインターロイキン-31レセプターA(IL-31RA)を標的とした、抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体である。
アトピー性皮膚炎においては、そのかゆみがかきむしりを引き起こし、さらなる皮膚炎の悪化にもつながりうる。同剤はこのサイクルの遮断による皮膚炎の改善をコンセプトとして開発された、新しいメカニズムの新薬候補化合物だ。
アトピー性皮膚炎や透析患者におけるそう痒の発生に関与しているIL-31に対し、同剤はそのレセプターの結合を競合的に阻害する。それによりIL-31の生物学的作用を抑制し、薬効を発揮するという。
中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/