バングラデシュ・シラジガンジ火力発電所建設プロジェクト
2016年10月27日、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、バングラデシュで計画されているシラジガンジ(Sirajganj)火力発電所建設プロジェクト向けに、M701F形ガスタービンを受注し、併せて長期メンテナンス契約(LTSA)も締結した。運転開始は2018年7月の予定である。バングラデシュでは、これまでにニューハリプール発電所、ベラマラ発電所、ビビヤナ発電所などに、累計8基のガスタービンを受注している。
M701F形ガスタービンは、出力40万キロワット級の天然ガス・油焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核機器となるもので、同発電所は、首都ダッカの北西約150キロメートルに建設される同国最大級のGTCC発電所である。
GTCC発電設備は、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などで構成されるもので、ガスタービンでの発電に加え、その高温の排ガスを利用してボイラーで蒸気を発生させ、蒸気タービンでも発電ができるため、資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献する。発電機は三菱電機株式会社製を採用する。
据付・試運転期間中は指導員を派遣し、運転開始後は、LTSAに基づき、ガスタービンの保守・管理、定期点検用の部品の供給、および運転の遠隔監視サービスなどに当たる。
バングラデシュでの電力不足
発電所の事業主体となるのは、北西部発電会社North-West Power Generation Company Limited(NWPGCL)と、シンガポールのSembcorp Utilities Pte. Ltd.による合弁会社である。
NWPGCLは、国営のバングラデシュ電源開発公社(Bangladesh Power Development Board、BPDB)の100パーセント子会社で、同国北西部を管轄する地域電力公社である。一方、Sembcorp Utilities社は、シンガポールの複合企業体であるSembcorp Industries Ltd.の公共インフラ事業会社で、アジア・中東諸国で積極的に発電事業を手掛けている。
バングラデシュでは、経済発展を背景に慢性的な電力不足が続いており、新たな電源開発が数多く計画されている。三菱日立パワーシステムズは、これまで培ってきた顧客との関係や同国での実績を活かしながら、信頼性の高い発電機器を納入して、同国の電力不足の緩和、インフラ整備、経済発展に引き続き貢献することを目指す。
三菱日立パワーシステムズ
https://www.mhps.com/news/20161027.html