抗てんかん剤ペランパネル2つの臨床第Ⅲ相試験を開始
エーザイ株式会社は、抗てんかん剤ペランパネルについて、部分発作または強直間代発作を有する小児てんかんの患者を対象とした臨床試験(311試験)、ならびにレノックス・ガストー症候群に伴うてんかん発作を有する患者を対象とした臨床試験(338試験)を開始した。
てんかんの部分発作は意識障害の有無によって、単純部分発作と複雑部分発作に分類される。硬直発作は筋肉の硬直、間代発作は痙攣が顕著に表れる発作であり、強直間代発作とはそれらが交互に発生するものである。
上記のような部分発作と硬直間代発作を有する患者を対象とした311試験は4歳以上12歳未満の小児てんかん患者約160人を対象として行われた。他剤との併用時においてもペランパネルが安全であるかどうか、また、忍容性や有効性も検証される。
一方、レノックス・ガストー症候群に伴うてんかんとは2歳以上8歳未満で発症、もしくはウエスト症候群から移行すると言われる。
こちらも、強直発作、脱力発作、欠神発作などが見られ、発作によって脳の成長が著しく阻害され知的障害や運動機能障害が現れてしまうリスクが高まる。
338試験は、レノックス・ガストー症候群とされる2歳以上の患者約140人を対象とした試験であり、ペランパネルのプラセボに対する優越性が検証される。
小児てんかんの有効治療法として期待大
てんかんの患者数は、日本で約100万人、世界中で約6,000万人である。
年齢層に関係なく発病する危険性があり、特に小児と高齢者で発症率が高い。てんかん患者様の約30%が既存の抗てんかん剤では発作をコントロールすることが難しい。
中でも小児から発症する重篤な難治性のてんかん症候群であるLGSは複数のてんかん発作型を示すため、発作の制御が極めて困難である他、発作時の意識消失による転倒を伴うこともあり、苦しんでいる患者も多い。
ペランパネルは、エーザイ社の開発した抗てんかん剤であり、12歳以上のてんかん患者の部分発作、強直間代発作に対する併用療法として世界各国で承認を取得した。今回の試験結果が良好なものであれば12歳未満の小児てんかんに苦しむ患者に対しても有効な治療手段となり得るため、大いに期待が寄せられている。
(画像はイメージです)
エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/