デスモステロールに着目
新潟大学とエーザイの共同研究チームは、アルツハイマー型認知症患者における認知機能の経時的変化と血中の脂質代謝物質である「デスモステロール」が相関すると2015年4月3日に発表した。
今回の研究成果は米国の学術誌である「Alzheimer’s & Dementia:Diagnosis、Assessment & Disease Monitoring」に3月31日に掲載。
アルツハイマー型認知症の診断
同疾患の診断は脳画像検査や脳髄液検査などを用いて行われる場合が多い。脳画像検査には高価な機械が必要であり、脳脊髄液検査は侵襲性があるとして新たな診断方法の開発が求められていた。
同研究チームはアルツハイマー型認知症のマーカー開発に取り組んだところ、認知機能低下の指標に血中デスモステロールが有用であると判明した。
アルツハイマー型認知症
高齢化を迎えた我が国におけるアルツハイマー型認知症患者は年々増加する傾向にある。
認知症のなかでもアルツハイマー型が最も多く、記憶力・判断力の低下、日付や自分の居場所がわからなくなる見当識障害、料理や掃除などの要領が悪くなる実行機能障害、言葉が出にくい中核症状などがみられる。さらには、怒りやすくなったり被害妄想などの行動・心理症状が現れることも。
アルツハイマー型認知症は緩やかに進行していくのが特徴であり、中核症状はほとんどの患者に発現し病気の進行と共に強くなる。行動・心理症状は全ての患者に発現するわけではないが、環境や周囲の人の接し方によって変化する。
(画像はプレスリリースより)
エーザイ プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201524pdf.pdf