いまだ消えない震災の記憶
つい先日、各地で成人式が行われたばかりですが、この17日に満20歳を迎えるのが、阪神淡路大震災です。関西在住の私にとっても、あの日の出来事は忘れることは出来ません。ちょうど就寝中に揺れが襲い、壁にかかっていた大型のパネルが、まるでカーテンがはためくように揺れ、その直後、棚のカセットテープや本が飛び散りました。
さらに通勤途上では、地震の影響で交通網が寸断され、日頃なら、乗車時間10分の地下鉄で向かうところ、徒歩で2時間かけて仕事に行きました。オフィスビルのガラスは割れて飛び散り、歩道に散乱していました。20年経った今でも、その記憶は色褪せることはありません。
私の居住地は、大阪市内で大きな被害はありませんでした。しかし、被災地の方にとっては、あの日の記憶は忘れたくても忘れることが出来ないでしょう。ましてや、心に受けたダメージは到底推し量ることは出来ません。
「風化」5年前から9ポイントアップ
神戸新聞社が20年の節目の今月、震災で家族を失った人たちを対象に、アンケートを行いました。『風化を感じるか』の質問に、『少し当てはまる』が43.1パーセント『よく当てはまる』が41パーセントとなり、合わせると84.1パーセント。5年前に実施した調査から約9ポイント増となりました。
その理由として『追悼行事の参加者が年々減っている』『若い世代、震災後に移住してきた住民が増えた』などの意見がありました。さらに『東日本大震災がよく取り上げられる』と、阪神淡路への意識が薄れていることを悲観される方もいらっしゃいます。
時の流れとともに『風化は仕方がない』とする一方、『語り継ぐ必要性を感じる』との意見もあり、20年という歳月が、被災者の意識にも立場や生活環境によって、違いが大きくなっていることが浮き彫りになっています。
共有しよう!大災害への備え
地震大国の日本では、近い将来南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、、巨大災害が起こる可能性があります。阪神淡路大震災での貴重な経験を生かすためには、国民一人ひとりの震災に対する意識がとても大切だと思います。
阪神淡路大震災のあった1995年は『ボランティア元年』とも呼ばれ、震災の教訓を被災地以外の方とも共有できました。大災害への備えとして、住宅の耐震化や災害に強い街づくりなどは、一朝一夕にはいきません。でもあの日を振り返り、食料や水の備蓄、避難グッズの用意など、いま一度防災意識を見直したいものです。

神戸新聞 震災遺族アンケート
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0007644398.shtml神戸市 ホームページ
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