マイコプラズマに対し強い抗菌活性を示す
富士フイルムグループの富山化学工業株式会社は、マクロライド系抗菌剤「T-4288」(一般名:ソリスロマイシン)の臨床第2相試験を、日本国内において開始したと発表した。
同剤は、肺炎球菌であるマイコプラズマに対し強い抗菌活性を示す薬剤。同試験は、同剤の有効性・薬物動態・安全性が検討される。
高い免疫調整作用も持つ「T-4288」
「T-4288」は、米国Cempra社が創製した、新規マクロライド系抗菌剤。
同剤は、既販品のマクロライド耐性の肺炎球菌であるマイコプラズマに対し、強い抗菌活性を示す。また、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)も有する。
富山化学は、「T-4288」の日本における開発・製造・販売の独占的権利に関するライセンス契約を、2013年5月にCempra社と締結。同年9月より国内において臨床第1相試験を開始し、同剤の安全性および忍容性を確認していた。
新しい抗菌剤に対して高いニーズ
今回開始された「T-4288」の臨床第2相試験では、一般の肺炎患者を対象として、経口で反復服用した「T-4288」の有効性・薬物動態・安全性を検討する。
日本においては、経口抗菌剤の新薬候補が減少し、新しい抗菌剤に対して高いニーズが存在する。富山化学は、これまで創製してきた抗菌剤にマクロライド系抗菌剤を加えることで、抗感染症領域の薬剤をさらに充実させるとしている。

新規マクロライド系抗菌剤「T-4288」の日本における臨床第2相試験開始のお知らせ - 富山化学工業株式会社
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/