1月1日付けで適用
シスメックス株式会社は、1月5日、肝臓の線維化検査用試薬(HISCL M2BPGi試薬)が、2015年1月1日付けで保険適用を受けたことを発表した。
同試薬は、慢性肝炎・肝硬変へと進行する肝臓の線維化を、採血(血清)によって、17分という短時間で測定できるというもの。
患者の負担軽減に
保険が適用されることにより、医療機関の臨床検査室など、どこの病院でも簡単に検査を受けることが可能。これにより、慢性肝炎に起因する肝細胞がんなどの疾病の早期発見が推進され、治療モニタリングにおける患者の負担軽減にもつながるものとなる。
ウイルス性慢性肝炎から肝細胞がんへの進行過程では、線維状の組織が肝臓に蓄積し肝機能が徐々に損なわれていく。治療プロセスにおいて重要なのは、肝臓の線維化の程度を判定すること。
今までの検査は、肝臓組織を採取して生検(生体組織診断)をおこなうのが主流。生検には入院が必要で侵襲性が高く、患者の身体的・経済的な負担が大きかった。
生検から採血へ
シスメックスは、産業技術総合研究所、旧糖鎖医工学研究センターと共同で、ウイルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、採血のみで検査できる試薬を開発。
2013年12月10日に薬事承認を得て、世界で初めて糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化検査技術の実用化に成功した。
今後は医療機関・検査センターを中心に、同試薬の国内市場での導入を進めていく方針。さらに、肝疾患が多い中国をはじめアジア諸国にも順次、導入を進めていく予定だ。

シスメックス株式会社 プレスリリース
http://www.sysmex.co.jp/news/press/2015/150105.html