HIVの啓発キャンペーンで大失態
インドネシアでなんとも看過できないうっかりミス(?)が生じていたことが18日、同国当局筋の発表で明らかになった。
これは同国の保健省が主導して行った、HIVと感染者に対する偏見撲滅を目指した取り組みの最中起こった不幸な事件だ。
通常HIVは蚊や水泳、くしゃみ、人間の唾液や汗などから感染する類いのものではないが、まるでそのような内容が記載されたポスターが、首都・ジャカルタの街に数百枚も張り出されてしまったというのだ。
インドネシアは国民の死亡原因第一位となっている「結核」に対しても充分な対策が講じられていないなど、衛生状態や医療水準は日本の30~40年前と同等程度のものと推測されている。
そんな中感染が拡大するHIVに対して行われた意識啓発への取り組みであったが、想定外の事態を招いてしまった形だ。
HIV活動家は呆れ顔
ことの発端はポスターの印刷会社が、「感染しない」の「しない」という文言を入れ忘れたために発生した、いわば“うっかりミス”によるものだ。
この印刷会社による工程では誤りが気づかれることがなく、当局によるチェック作業なども行われなかったことから、本来打ち消そうとしていた誤った認識を、逆に広報してしまう事態を招く結果になったようだ。
国民の9割がイスラム教徒で、性的な公共秩序には世界有数の厳格さが認められる同国だが、巷には歓楽街があり、風俗営業が行われているケースもあるという。
国の取り組みがきっかけで、穏健で敬虔なイスラム信者を害してしまうようなことがあれば本末転倒といえるだろう。
(画像はプレスリリースより)
JIJI PRESS NEWS JOURNAL
http://jen.jiji.com/jc/eng_afp?k=20151119033500a