桐蔭横浜大学 宮坂研究室が進めるハイブリッド太陽電池
2009年に宮坂研究室が開発した有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト結晶が可視光増感剤としてはたらくことを発表して以来、世界の研究機関が変換効率の向上を目指してきた。
すでに現在のシリコン太陽電池に匹敵する結果が発表され産学共同で実用化に向けた幅広い研究が行われている。
固体薄膜太陽電池はさらに進んだ有機系太陽電池として結晶生成原料を溶液塗布することで薄膜セルを可能にした。平易な溶液塗布と高温を必要としない低コスト製造を実現している。
残る課題として耐久性が問われるがすでにプラスチックやガラス基板では5年から10年の実用レベルまで実証されている。
ハイブリッド太陽電池が作る未来像
現在のシリコン太陽電池と一線を画する有機系太陽電池は生産コスト抑制面でも障害はなく幅広い素材に塗布するだけで太陽電池になる技術である。
屋根の瓦やビルの壁、車のボデイなど活用範囲は広く、より生活に密着した場所での利用が見込まれる。
ここ数十年にわたる石油を中心としたエネルギー消費の時代は温暖化の危機と資源枯渇の問題を提起しているが、宇宙時間で考えれば無限と言える太陽光の再生利用は人類の英知の帰結と言える。
資源をめぐる争いは歴史が証明するところだが、世界情勢さえ変えうる力を持つ研究テーマとして、産学共同で携わる人々に敬意をもって注目したい。
松蔭横浜大学 宮坂研究室
http://www.cc.toin.ac.jp/sc/miyasaka/ペクセル・テクノロジーズ株式会社(共同開発)
http://www.peccell.com/