ロシュ社が発表した新キットの概要
ロシュ・ダイアグノスティックスは「コバス(R)EGFR変異検出キット」を3月10日に発売したことを発表しました。このキットは、非小細胞肺がん組織から上皮成長因子受容体の遺伝子変異を検出するキットです。
この検査キットでは、上皮成長因子受容体遺伝子変異の大部分を占めるエキソン18-21の41種類の遺伝子変異を定性的に検出することができます。エキソンは構造遺伝子の塩基配列の中でタンパク質合成の情報をもつ部分で、このキットでは分子標的治療に重要なエキソン18、19、20、21から41の遺伝子変異を検出することができます。
また、このキットでは適切な治療を適切な患者グループに実施する医療の個別化にも役立ちます。
日本人の肺がんの特徴
日本人の肺がんのうち8割以上は非小細胞肺がんであるといわれています。さらに非小細胞肺がん患者の3-4割は上皮成長因子受容体遺伝子の特定領域に変異が起こっていることが判明しており、この遺伝子変異が主な原因となってがん化が促進されることが最近の研究・調査で明らかになっています。
このキットはアレル特異的・リアルタイムPCR法の採用によって、高感度に変異を検出することができます。しかも、FFPE組織の脱パラフィンから結果判定まで8時間で完了することができます。なお、当キットは24テスト用で希望販売価格は492,000円となっており、保健点数は2,500点となります。
ロシュ・ダイアグノスティックス プレスリリース
http://www.roche-diagnostics.jp/news/14/03/10.html