今回の戦略的提携の概要
アステラス製薬は、感染症領域におけるワクチンのポートフォリオ構築について、アメリカメリーランド州に本社を持つクリアパスデベロップメント社と戦略的提携関係を締結したことを2014年1月6日発表しました。今回の戦略的提携のポイントは、アステラス製薬が、呼吸器合胞体ウィルス感染予防ワクチンの開発に投資し、ワクチンポートフォリオの拡充を図る点にあります。
呼吸器合胞体ウィルスは、呼吸器感染症を引き起こすリスクのあるウィルスで、あらゆる世代に感染するという特徴を有しています。この病原体により引き起こされる呼吸器感染症が重症化するのは特に乳幼児、循環器疾患や慢性呼吸器疾患をもつ高齢者で毎年全世界で6400万人が感染、16万人が死亡しています。それにもかかわらず、このウィルスに有効なワクチンはいまだ開発されてはおりません。
ワクチンの詳細
呼吸器合胞体ウィルス感染予防ワクチンは、Virosome技術を用いて創製され、その主な構成内容はウィルスの主要な表面抗原たんぱく質を保持する膜成分となっており、感染を引き起こす遺伝物質は含まれておりません。非臨床試験においてもこのワクチンは呼吸器合胞体ウィルスに対して防御効果を有することが確認されています。
アステラス製薬では、今回の戦略的提携を通じて、このワクチンのPOC(ヒトでの薬効確認)試験終了までにかかる開発費用を負担することとなっています。他方で同社は、このワクチンの開発・事業化を行う独占的権利を有しています。

アステラス製薬 プレスリリース
http://www.astellas.com/jp/