イギリスとアイルランドの研究グループと共同で
東北大学大学院生命科学研究科生物多様性進化分野の牧野能士助教、イギリスとアイルランドの研究グループは共同で、精神疾患の原因となるゲノム領域の90%以上に存在する特殊な遺伝子を発見した。
(画像はプレスリリースより)
牧野助教らは脊髄動物の初期進化で起きた前ゲノム重複に由来する遺伝子「オオノログ」に着目。これまでに報告されている統合失調症・自閉症・知的障害・てんかん・うつ病・双極性疾患といった神経発達障害の原因となるコピー数多型と、健康な人のコピー数多型を大規模に調査した結果により無害と考えられるコピー数多型を収集し、比較・検証を行った。
オオノログを含むゲノム領域の重複や消失が原因
その結果、精神疾患に関する15のコピー数多型領域のうち90%以上の14領域にオオノログが含まれていた。この傾向は他の有害コピー数多型を用いても同様だったが無害のコピー数多型では30%程度しかオオノログは含まれなかった。
このことはオオノログを含むゲノム領域の重複や消失が精神疾患を引き起こすことを示唆する。(小林 周)

東北大学大学院生命科学研究科 プレスリリース
http://www.lifesci.tohoku.ac.jp