国際糖尿病連合の世界会議で発表
ノバルティス ファーマAGは、2型糖尿病にかかわる医師と患者を対象とした糖尿病に関する実態調査「Time 2 Do More in Diabetes(今こそ糖尿病を考える時)」の結果を12月3日に開催された国際糖尿病連合(IDF:International Diabetes Federation)の世界会議2013で発表した。
この調査は、日本を含む世界6カ国(米国、イギリス、スペイン、日本、インド、ブラジル)の2型糖尿病を治療する医師337人と治療を受けている患者652人の計989人を対象に、オンライン調査によって実施された。
(画像はイメージです)
世界6カ国の調査結果
診断時における説明状況において、6カ国間での違いはほとんどみられなかった。糖尿病に関する5つの主要なテーマである
「生活習慣の見直し/食事・運動療法」、
「疾患とその原因」、
「薬物治療」、
「2型糖尿病のリスクと合併症」、
「HbA1cの重要性」について、8割をこえる医師が「十分な説明を行っている」と回答した。
一方、2型糖尿病の患者において、実際に「運動量の改善」を実践できている人は全体の40%にとどまり、「医師から勧められた食習慣に変える」ことができた人も半数(49%)にとどまるなど、「生活習慣の見直し」が困難である状況が浮き彫りになった。
さらに、患者の4分の3は糖尿病の合併症の発症をあまり気にしていないか、現在その危機はなさそうだと感じていることが分かった。
日本での調査結果
日本での調査は、医師56人(専門医16人、一般開業医/内科医40人)と患者101人を対象として行われた。医師が診断時に上記の5つの主要なテーマを説明しているかどうかでは、10人に9人が「説明した」と答えた。
説明に対する患者の理解度について、「食事・運動の生活習慣の改善」は51%が理解していた。また、「血糖値コントロールの重要性」は39%、「薬物治療」が38%、「潜在的なリスクと合併症」が36%と、4割近くが理解していたが、他国と比較した場合、全項目において6カ国中で最も低く、疾患や治療への理解度の不十分さが明らかになった。
理解度が2割以下だったのは、「低血糖とその治療」15%や「治療費」16%、「副作用」19%についてだった。実際に「食生活の改善に取り組んだ」患者は27%で、これは6カ国中で最も低く、「運動量を上げた」患者も27%と、6カ国中5番目に低い割合だった。
さまざまな課題が浮き彫りに
調査の結果、2型糖尿病の疾患や治療に関する医師の説明の程度と、患者の理解・記憶の程度には差があり、患者の血糖コントロールについても取り組みが不十分であることが明らかにされ、実際に生活改善に取り組むことの難しさが浮き彫りとなった。
これらの結果を踏まえて、世界的にはもちろん、日本においても、2型糖尿病治療に関するさまざまな課題や障害への理解を深め、医療従事者と患者がともに協力しあいながら、患者のケアや2型糖尿病の管理をさらに向上させる活動に取り組んでいく必要性が示された。(太田みほ)

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20131204.html