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2025年04月21日(月)
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世界初、ヒトiPS細胞から3次元腎臓組織作成に成功

世界初、ヒトiPS細胞から3次元腎臓組織作成に成功

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熊本大学の研究グループが成功
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、立体的な腎臓組織を誘導・作成することに世界で初めて成功したと、12月13日、熊本大学が発表した。この研究成果は、同大学発生医学研究所の研究グループによるもので、科学雑誌「Cell Stem Cell」オンライン版に米東部時間の12月12日付で掲載されている。

網膜や心臓、膵臓といった臓器では再生医療研究が進んでいるが、腎臓を作ることは極めて困難とされ、研究も進んでいなかった。

研究チームは、まず腎臓がマウスの胎内で作られる仕組みに着目。胎児の腎臓は「腎臓前駆細胞」から作られることは知られていたが、この細胞そのものがどのようにしてできるのかは解明されていなかった。しかし、今回、マウスの腎臓前駆細胞が、下半身のもととなる特殊な細胞「体軸幹細胞」を経て形成されることを発見。実際に胎児から採取したこの細胞から、腎臓前駆細胞を作るために必要な5種類の成長因子を特定することに成功したという。

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(画像はプレスリリースより)

成長因子の投与、細胞培養を経て3次元腎臓組織の試験管内作成に成功
そこで、この成長因子5種を適切な組み合わせと濃度で5段階に分けて投与し、マウスES細胞およびヒトiPS細胞の両方から腎臓前駆細胞を試験管内で作成した。そして研究グループは、これらの腎臓前駆細胞をさらに培養することにより、世界で初めて糸球体と尿細管の両方を伴った3次元の腎臓組織を試験管内に再構築することに成功したそうだ。

京都大学の研究チームも、今年尿細管を作成したと発表していたが、糸球体も含めた立体構造の作成には至っておらず、今回の成功が初のものとなる。構造が複雑でとくに作成が難しいとみられてきた腎臓における成果であり、新たな再生医療の道を拓くものと注目されている。

研究グループでは、現段階では再生組織を移植することで血管を含む3次元構造までは形成されているものの、実際にそこから尿を産生するといったところまでの機能的成熟には至っていないといい、今後この成熟化をいかに実現するか、また尿が産生されたとして、その尿を排出するための尿管芽をどのようにして作成するかという課題が残っているとしている。

さらにこれらがすべて実現できたとしても、そこから成人の体を維持するために必要な大きさの腎臓にまで成長させることを考えると、依然臨床応用には相応の時間が必要と考えられるともした。

しかし今回の研究成果は、腎臓の再生医療研究はもちろん、腎臓病の原因解明と新薬の開発を加速させるものであり、重要な意義をもつものとなることが期待される。 (紫音 裕)


外部リンク

熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/

Cell Stem Cell : Redefining the In Vivo Origin of Metanephric Nephron Progenitors Enables Generation of Complex Kidney Structures from Pluripotent Stem Cells
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/

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