セロトニン5-HT3受容体拮抗剤
アステラス製薬株式会社は7月14日、下痢型過敏性腸症候群治療剤「イリボー錠2.5μg、同5μg/イリボーOD錠2.5μg、同5μg」について、同日付けで女性における下痢型過敏性腸症候群に関する効能・効果追加の申請を行ったと発表した。
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同剤はアステラス製薬が創製したセロトニン5-HT3受容体拮抗剤である。
過敏性腸症候群(IBS)は器質的疾患を伴わず、腹痛・腹部不快感と便通異常(下痢、便秘)を主体とし、それら消化器症状が長期間持続もしくは悪化・改善を繰り返す機能性疾患で便通異常や腹部症状は、ストレスをはじめとする種々の病因によって引き起こされ、最終的には腸管神経の過度の活性化に伴う消化管運動亢進によって生ずると考えられている。
ストレスなどによって遊離が促進されたセロトニンが、腸管神経に存在する5-HT3受容体を活性化することにより、消化管運動を亢進させ、便通異常を引き起こし、腸が受けた刺激によってもセロトニンが遊離し、求心性神経終末の5-HT3受容体に結合することで、脳に痛みを伝達する。
女性患者の使用目指す
イリボー錠2は、国内において「男性における下痢型過敏性腸症候群」を効能・効果として2008年10月に発売され、口腔内崩壊錠イリボーOD錠は2014年1月に同適応症にて発売された。
同社は今回、効能・効果追加の申請を行ったことで、女性の下痢型過敏性腸症候群の患者さんにも両剤を使用できることを目指している。(浅見園子)

アステラス製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/