スイスバシリア社と開発
アステラス製薬株式会社は7月10日、アゾール系抗真菌剤イサブコナゾールについて、米国子会社アステラスファーマUS,Inc.が、「侵襲性アスペルギルス症及びムーコル症」の効能・効果で米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を提出したと発表した。
この画像はイメージです
同剤は同社がスイスバシリア社と共同で開発を進めているもので、生命を脅かす重度の侵襲性の真菌感染症に対して広域スペクトラムを持つ抗真菌剤である。注射剤及び経口剤での開発が進められており、現在、臨床試験が進められている。
侵襲性アスペルギルス症を対象とした第III相臨床試験においては、主要評価項目である投与42日目までの総死亡率において、ボリコナゾールに対するイサブコナゾールの非劣性が確認され、肝胆道系障害、皮膚障害及び眼障害の有害事象の発現率が、イサブコナゾール群ではボリコナゾール群と比較して統計的に有意に低くなった。
QIDP指定受け
同剤は、侵襲性アスペルギルス症及びムーコル症の適応症に関し、FDAからQualifiedInfectious Disease Product(QIDP)指定を受けている。
米国ではQIDP指定により、優先審査と5年間の独占販売期間の延長が認められ、両適応症に関し、希少疾病用医薬品としての指定も受けている。
白血病治療による高用量の化学療法や造血幹細胞移植を受ける患者など免疫不全患者の増加により、重篤な真菌感染症も増加傾向にあることから、今後、同剤がこの治療における新たな選択肢となることが期待される。

アステラス製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/