分化型甲状腺癌の治療薬として
バイエルヘルスケア社と、アムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社は、経口キナーゼ阻害剤「ネクサバール錠」が欧州委員会から販売承認を取得したと発表した。
同剤は今回、放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行または転移性の分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞癌)の治療薬として、承認を取得した。同剤は、2013年11月に同様の適応症に対して米国で承認を取得している。
さまざまな癌の治療可能性を検討
ネクサバール(ソラフェニブ)は、アムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社と、バイエル社が、共同開発している。経口抗悪性腫瘍剤。欧州においては、肝細胞癌と進行性腎細胞癌の治療薬として、承認されている。また、甲状腺濾胞癌および乳頭癌の治療薬として、希少疾病用医薬品に指定されている。
米国では既に、進行性分化型甲状腺癌の治療薬としても承認を取得。バイエル社およびオニキス・ファーマシューティカル社、国際研究グループ、政府機関、および個々の医師などにより、さまざまな癌を対象とした治療可能性が検討されていた。
承認はDECISION試験のデータに基づくもの
分化型甲状腺癌治療薬としての承認は、第3相臨床試験であるDECISION試験のデータに基づくもの。
同試験において、ソラフェニブはプラセボと比較して、主要評価項目である無増悪生存期間を有意に延長。病勢進行または死亡のリスクも41%低下した。PFSの中央値は、プラセボ群で5.8 カ月であったのに対し、ソラフェニブ群では 10.8 カ月だった。

バイエルのネクサバール錠(ソラフェニブ)、分化型甲状腺癌の治療薬としてEUで承認を取得 - プレスリリース
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