共同開発の胃がん治療薬
アステラス製薬株式会社とアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は、11月25日、日本で共同開発をおこなっている胃がん治療薬「rilotumumab」について、米国アムジェン社が、実施する全ての臨床試験の中止を決定したと発表した。
これには、日本および他のアジア諸国で実施中の第3相試験RILOMET-2も含まれている。
アステラス製薬は、泌尿器疾患、免疫疾患および感染症、がん、精神・神経疾患、糖尿病合併症および腎疾患の5つの研究領域において、幅広く事業展開する大手製薬会社。
アステラス・アムジェン・バイオファーマは、アムジェン社とアステラス製薬による合弁会社で、2013年に業務を開始した。
安全性評価による決定
米国アムジェン社は、11月24日、同社がおこなう治験薬rilotumumabの進行性胃がんに対する臨床試験(第3相試験RILOMET-1試験およびRILOMET-2試験を含む)の中止を発表。
この決定は、独立データモニタリング委員会の安全性評価において、rilotumumabと化学療法併用群の死亡数が化学療法単独群に比べて増加したと認められたことによる。RILOMET-1試験の詳細な結果は、学会ならびに論文投稿で報告される予定。
治験参加患者のフォローアップを
アムジェン社では「将来の研究と治療に役立てるために、今後詳細なデータ解析をおこなっていきたい。全世界のがんによる死亡の主な原因の1つとなる進行性胃がんには、新しい治療方法が必要だ」と述べている。
アムジェン社は現在、臨床試験中止の手続きを進め、かつ治験に参加している患者のフォローアップのため、rilotumumabの臨床試験における治験責任医師との連携を図っていく方針だ。
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 ホームページ
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